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2024-01-20 15:18:00

小規模企業共済

【1】小規模企業共済とは

 

 小規模企業共済とは、中小企業基盤整備機構が運営する、中小企業の経営者や個人事業主などの積立による
退職金制度です。

積み立てた金額に応じて将来、共済金を受け取ることができます。

掛金は、1,000円~70,000円までの範囲で、500円単位で自由に設定可能です。

掛金の増額及び減額も、上記の金額の範囲内で500円単位で行うことができます。

 

 

【2】加入資格

 

 小規模企業共済に加入するためには、以下の条件のいずれかを満たしている必要があります。

 

1.建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する
従業員の数が20人以下の個人事業主または
会社等の役員

 

2.商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の
個人事業主または会社等の役員

 

3.事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員、常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員

 

4.常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員

 

5.常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員

 

6.上記「1」と「2」に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

 

 

【3】小規模企業共済のメリット

 

 小規模企業共済に加入するメリットとしては、主に以下のようなことが挙げられます。

 

1.掛金が全額所得控除される

  小規模企業共済の掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として、確定申告を行う際に全額所得控除の対象にできます。

 生命保険会社の個人年金については旧制度で上限5万円、新制度で上限4万円しか控除できないため節税効果は小規模
 企業共済の方が遥かに大きいです。

 

2.共済金の受取り方法は一括・分割を選べる

  共済金の受け取り方は、一括と分割を選択可能です(一括と分割の併用も可能)。

 一括での受取を選択すると「退職所得」扱いになり、分割受取を選択すると「雑所得」扱いになりますが、どちらの場合
 でも「事業所得」と比べると税負担が大幅に軽減されます。

 

3.低金利の貸付制度を利用できる

  小規模企業共済の加入者は、掛金の範囲内で事業資金の貸付制度を利用できます。

 貸付制度には、以下の制度があるので、貸付を希望する理由に応じた制度を利用することになります。

 一般貸付制度、緊急経営安定貸付け、傷病災害時貸付け、福祉対応貸付け、創業転業時・新規事業展開等貸付け、
 事業承継貸付け、廃業準備貸付け

 

 

【4】小規模企業共済のデメリット

 

  小規模企業共済に加入するデメリットとしては、主に以下のようなことが挙げられます。

 

1.掛金納付月数が12ヵ月未満又6ヵ月未満だと共済金を受け取れない

 

 (1)6ヵ月未満の場合に共済金を受け取れないもの 

 

   ⓵ 共済金A(個人事業主が廃業したり、法人が解散したりした場合に受け取れる共済金)

   ② 共済金B(主に65歳以上で180ヵ月以上掛金を払い込んだ方が受け取れる共済金

 

 (2)12ヵ月未満の場合に共済金を受け取れないもの 

 

   ⓵ 準共済金(個人事業を法人成りした結果、加入資格がなくなったために解約をした際などに受け取れる共済金)

   ② 解約手当金(任意解約や機構解約(掛金を12ヵ月以上滞納した場合)によって受け取れる共済金)

 

2.元本割れのリスクがある

  掛金納付月数が240ヵ月(20年)未満で任意解約をした場合に受け取れる共済金の金額は、掛金合計額を下回り、
 元本割れしてしまいます。

 また、加入期間が240ヵ月以上でも、途中で掛金を増額したり減額したりした場合は、任意解約した場合に受け
 取れる解約手当金が、掛金合計額を下回ってしまう可能性があります。

 小規模企業共済に加入するかどうかは、240ヵ月以上掛金を支払い続けられるかを踏まえて、慎重に判断するこ
 とが重要です。

 

【5】受け取った共済金の税法上の取扱い

 

  共済金および解約手当金は、受け取る際の年齢や一括または分割などの受取方法などで税法上の取扱い
 が異なります。

 

  

 受取方法        税法上の扱い
 共済金または準共済金を一括で受け取る場合  退職所得扱い
 共済金を分割で受け取る場合  公的年金等の雑所得扱い
 共済金を一括・分割併用で受け取る場合 (一括分)退職所得扱い
(分割分)公的年金等の雑所得扱い
 遺族が共済金を受け取る場合(死亡退職金)  (相続税法上)みなし相続財産
 65歳以上の方が任意解約をするまたは65歳以上の共同経営者が任意退任をする場合  退職所得扱い
 65歳未満の方が任意解約をするまたは65歳未満の共同経営者が任意退任をする場合  一時所得扱い
 12か月以上の掛金の未払いによる解約(機構解約)で解約手当金を受け取る場合  一時所得扱い

 

 

 

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